秋はまぐり 料理人季蔵捕物控 (ハルキ文庫 わ 1-18 時代小説文庫 料理人季蔵捕物控)
今回は「生き戻り」がテーマで三つの事件が起こり、それにからんで秋の味覚を工夫する季蔵の日常がいつもの通りしずかな熱をこめて描かれます。
最初の「生き戻り」は神隠しにあったように行方不明になったおはぎ作りの名人の老女が一週間ほどで戻ってきた事件。死んだ娘にめぐりあい、極楽で楽しい時間を過ごしたというのですが、その娘に渡した被布は昔仕えていたある女性から拝領したもので、どうやらこれを欲しがったある商家の旦那のしくんだ一件のようです。
被布に縫い込まれているはずのあるもの。死んだ娘に化けた女とその仲間の男はだれか。
それが第二の「生き戻り」につながっていきます。十数年前に拐かされた、豪商の娘が生きて戻ってきて、もしも彼女が本物であれば、先代の遺言で黄金の仏像を譲らなければならず、利権がからんでなかなか認められずにいるうち、彼女は、自分が本物であるしるしに、父の好物を作って見せる、と季蔵のもとへやってきますが・・・・
第三の「生き戻り」は噺家が顔の上に焼きはまぐりをのせられた死体で見つかり、はまぐりをめぐる口論から仲の悪かった歌舞伎役者が、あの世から戻ってきて殺したのだ、と噂になります。
三つのミステリアスな事件が鎖がからみあうようにつながってゆき、最後に、老中さえ手の出せない名家の当主の悪事が明らかになります。最初はのどかで平和な神隠し物語から入った事件が、かなり陰惨な、裏の世界の悪に結びついてゆく。特に第二話はリアルでやりきれない重苦しい事件で、最後に真相を知ったお奉行の烏谷を歯がみさせ、季蔵も「隠れもの」としての重い腰を上げます。
ミステリの歯車がメインですが、それをおはぎ、『春恋魚』の巻を受けての秋刀魚の粕漬けのほぐし身を使ったかど飯、秋はまぐり尽くしと、人助けの心のこめられた季蔵の料理が彩ります。
彼の料理とは、いかんともしがたい運命、そしてやりきれない悪に対する、ひたすらな供養の気持ちではないかと思います。
それがこのシリーズを貫く季蔵の生き方であり、瑠璃が生きているかぎり報われることのないおき玖の思いとともに、四季ととともに変わることなく流れてゆくのでしょう。そのなかにあってこの巻も、美食家のお奉行や三人の常連、菓子作りに才能を見せる三吉の成長がほのぼのとした味わいを添えています。
秋はまぐり 料理人季蔵捕物控 (ハルキ文庫 わ 1-18 時代小説文庫 料理人季蔵捕物控) 関連情報
このLサイズを注文したところ、18個ほど入っていました。
10個を焼き蛤で、8個を酒蒸しで頂きましたが、しっかりした風味でもっと食べたくなりますね。
包装の中に簡単なレシピも入っていますので、とりあえず注文してからどう食べるかを考えるのもいいかも。
贈り物にも悪くないと思いますが
とりあえず折を見てもう一度自宅用に注文したいところです。
本場 活ハマグリ(Lサイズ 約1kg入) 関連情報
配達も早く、値段が、安価で、綺麗です。石の安定性を考えて、厚みの薄い石にしました。 囲碁 日向特製蛤碁石 徳用 25号(厚さ7.0mm) 関連情報