マーラーの作品を十八番にしているバーンスタインではあるが、その中でもこのDVDは凄すぎる!!!
ことに9番の演奏は、まさに入魂の指揮ぶりで、オーケストラと一体となった名演だと思います。
最近の指揮者の中には、汗もかかずにクールな指揮をする人もいるが、やはり人の心を揺さぶるのは、ここで見られるバーンスタインのような熱のこもった指揮ではないでしょうか。バーンスタインの感情や精神がマーラーの曲に見事に反映されている演奏です。
映像そのものは古いものなのでクリアなものとは言えませんが、マーラーの9番のDVDとしては最高のものだと確信しています。
マーラー:交響曲第9番・第10番・大地の歌 [DVD] 関連情報
以前にもレビューを書いた気がするので重複してたらごめんなさい。オーマンディのマーラーというと、健康的でふくよかな演奏が一般的ですが、さすがにこの「大地の歌」となると彫りが深くて、感心させられました。特に「告別」でのフィラデルフィア管の鳴らし方は、彼とは思えない侘び寂びに満ちた感動的な演奏です。
歌手のうちルイスはワルターのもとで何度も「大地」を歌ったベテランだけに文句なし。女声は聞いたことのない方ですが、この曲をよく研究されていて違和感はあまりないです。
カップリングされているシュターデの「リュッケルト」にはむしろがっかり。シュターデの発声のクセが強すぎて曲が台無しです。彼女もこの頃は若かったし、何か勘違いしていたのかなあ。
オーマンディの指揮、シュターデのソロで「大地の歌」を聞いてみたかったと思いました。シュターデがヘンな勘違いをしていなければ、の話ですが(笑)。まあそれはともかく、今回はオーマンディに感心させられたCDでした。
Lied Von Der Erde 関連情報
ある日突然、人間が地上から消えたら世界はどうなるのか?戦争や災害ではなく、とにかく突然人間がいなくなるというSFのような状況が事態が発生したら、残された家、都会、美術品、農場といった人工物はどうなるのか。自然はどう反応するのかという内容。最後はテレビ電波が宇宙の背景雑音になって人類が存在した証となるだろうというペシミスティックな終わりになるのではありますが、我々の創造物の儚さや、世界に与えている影響がよく理解できる。また、ゴミはすべて海に流れ込む話や、フカヒレのために、毎年、数百万のさめが殺されている話など新たな知見も得ることができる。ついでながら、ダブリン市民を四苦八苦して読んだのだけれど、この本のような平易な文章のありがたさが身にしみますね。その程度の英語理解力でも十分に読めて、楽しめる本です。 The World without Us 関連情報