40代から60代あたりの女性9人の物語はなんだか匂う話だった
寝たきりの介護者がいる家や
老朽化した光りの射さない家や
加齢臭のする老人など・・・・そういう匂いがこの本から立ち昇る。
日常を慎ましく生きてきた女たちは、夫に対しては拘らないし、美容も服装も愉しむでもない
沸沸と彼女たちを動かすのは、ゴミだったり、ゴキブリだったり、流しの匂いだったりと、自分にしか眼にも鼻にもつかないことだ。
底無し沼のように沈む話に、私には気が滅入る本だった。
それでも★4なのは、この世界を描いている作者の力量に対し4以下は思いつかないし、5にするには個人的趣向とかけ離れすぎて躊躇するからだ。
掘るひと 関連情報
作者岩坂恵子氏の文章はリズム感があって大変よい。
こういう文章を読んでいると何か救われるような気がする。
淀川にちかい町から (講談社文芸文庫) 関連情報
雨のち曇り位の状況の方が読む方にはありがたかったです。希望の光が見えなくて期待していたほどでななかった。 雨のち雨? 関連情報