ロバート・ヤング 商品

ロバート・ヤング 世界でもっとも美しい10の科学実験

「そもそも実験が美しいってどういうこと? 実験装置がピカピカってこと? まさかね.では,美しいって一体何?」

本書のタイトルを読んで,このような疑問を抱く感性のある人は,本書「世界でもっとも美しい10の科学実験」を大いに楽しめるだろう.というのも,本書は単に実験を紹介しているだけではなくて,科学における美とは何かという哲学的問題を一貫して扱っているから.そういうことに特に興味がなくても,偉大なる科学実験がどのように行われ,それらが世界の常識をどのように覆したかを知るのはワクワクする.本書では,紀元前の実験から始まり,量子力学の実験に至るまで,10の科学実験が時系列に並べられているので,壮大な科学史を窺い知ることもできる.

投票で選ばれた,これら10の科学実験には共通点がある.その1つが「美しい」ということだが,美しくあるための要素として,シンプルなのにインパクトが強烈であることが挙げられる.本書では,デモンストレーションという言葉が使われている.例を挙げよう.

●エラトステネスは地球の外周の長さを測定したが,もちろん,地球にメジャーを巻き付けたわけではない.棒の影の長さを計っただけだ.それで,地球の大きさが分かるなんて!

●ガリレオはピサの斜塔から球を落として,地面に落ちるまでの時間は重さに関係ないことを示したとされる.小学生にもできる実験だが,重いものが速く落ちると感じてしまう人間の常識を覆した!

●ニュートンは誰でも知っているプリズムを使って,白色光は様々な色の光が集まったものであることを示した.それまでは,白は白でしかないと信じられていたのに!

●フーコーは巨大な振り子を使って,地球の自転を人々に見せた.これにはナポレオンも度肝を抜かれた!

●ヤングは2つの細い隙間(二重スリット)に光をあてて,光が波であることを示した.科学界の大御所たちは光は粒子だと宣言していたのに!

●そして,ファイマンは光の代わりに電子を二重スリットに打ち込んだ.すると,弾丸が小さな穴を通ったかのように,壁(写真乾板)に電子の銃痕ができる.ところが,電子を次々と撃つと,やがて壁には干渉縞が現れる.つまり,電子は波でもある.発射したとき,電子1つがあった.着弾したとき,電子1つがあった.その間,一体全体,電子はどこにいたのか? 右のスリットも左のスリットも通ったから干渉縞ができた.ファイマンの実験は思考実験であったが,後に実際に実験が行われた.人類の世界観を根底から覆す実験が! 世界でもっとも美しい10の科学実験 関連情報

ロバート・ヤング ロマンティック・ストーリーズ (Little Selectionsあなたのための小さな物語)

たまには気分転換に恋愛小説でも読んでみようかと思うけれど、どろどろした話はイヤだし、ハッピーエンドでない話は後味が悪いから気がすすまないし、でもハッピーな結末が分かっている小説って、なんだか軽薄そうなイメージだし……と探し回っていたら、この本が見つかりました。どれもひとひねりもふたひねりもある展開なんですが、最後にはほっと一安心できるオチがついている短編を集めた本で、洋モノと和モノ、小説と漫画古いものと新しいもののバランスもいいし、適当な長さですぐに読み終わるから続きが気になってはらはらすることもないのが気に入りました。

もともと中高生をターゲットにした本だそうで、恋愛小説といってもほんわかとした、ときにとぼけた味のある作品ばかりで、ほんのちょっとの時間だけ空想の世界に遊ぶのにもってこいの本でした。最初の作品がO・ヘンリーというのも、「そういえば学生時代によく英語の教科書で見たけど、この作品は知らないなあ」なんて思いながら読み進められたし、後に続く日本の漫画、ちょっぴりSF的要素のある小説と比べるのも面白く感じられました。
おかげで短い時間のうちに、一気に読み上げてしまいましたが、内容は薄っぺらではなく、「久しぶりに中身の濃い本を読んだな」という充実感に浸れました。収録作品を全部読み終わった後は、赤木かん子さんの解説を読んでほかの本まで読みたくなってしまったほどです。

この本ならきっと、家事や育児の合間、通勤電車の中など、細切れの時間しか読書に充てられない人でも、満足度の高い読書ができること請け合いです。 ロマンティック・ストーリーズ (Little Selectionsあなたのための小さな物語) 関連情報

ロバート・ヤング 時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫)

 ロバート・F・ヤングの未邦訳時間SF「時が新しかったころ」を収録するなど、珍しい短編ばかりを集めた一冊。
 私はヤングの未読作品がないものかと過去30年分のSFマガジンを買い込み、目次を漁ったことのある人間で、それだけに、未邦訳作品を収録されていることが涙が出るほど嬉しかった。またこの作品がまたヤングの傑作「たんぽぽ娘」と比べても勝るとも劣らない傑作で(何故今まで紹介されていなかったのか不思議)、通勤の列車内で不覚にも目頭が熱くなり今度は涙が出た。ラストシーンはいかにもヤングらしいハッピーエンドの名場面。記憶に残る。
 フィニイのノスタルジックなファンタジーもいい。他の全く名前を聞いたことのなかった作家達の作品も粒ぞろいで、このジャンルが好きならばまず間違いなく購入して損はない。こういう作品は繰り返し読んで何度も余韻に浸るのがいい。 時の娘 ロマンティック時間SF傑作選 (創元SF文庫) 関連情報

ロバート・ヤング ロバート・プラント・アンソロジー

お馴染みHey JoeとBuffalo Springfieldの楽曲For What It's Worthを収録している
どちらもドラムはジョン・ボーナムである。
For What It's Worthはプラントのお気に入りの楽曲らしく
ツェッペリン時代のライブでもしばしば演奏されているが
このバージョンも両者共凄まじいテンション、パフォーマンスである。
これが不要なツェッペリンファンなんて存在するのだろうか? ロバート・プラント・アンソロジー 関連情報

ロバート・ヤング 世界の危険・紛争地帯体験ガイド (講談社SOPHIA BOOKS)

とにかく、世界中のアブない国々についてのデータと、潜入ルポを集めまくった大作。 具体的にどことどこかはわたし自身の首がアブなくなるので差し控えますが、読んだら最後、うかつに観光旅行なんてできなくなるのは必至! たとえば、

「全裸の人間が100ドル札をからだ中に貼りつけて、道を歩いている姿を想像してほしい。最悪の状況下で生活している人の目から見た旅行者は、まさにこの姿なのだ」(26ページ) 「いずれにしても、旅行者とは、母国以外の国に滞在する、裕福で、しかも武装していない外国人を意味する」(30ページ)

怖いでしょう?

バリバリ硬派だったころの「SAPIO」が好きだった人、クーロン黒沢のファンの人なんかは必読。分厚いけどぜったい損しません。 世界の危険・紛争地帯体験ガイド (講談社SOPHIA BOOKS) 関連情報