主要な登場人物だけでなく、脇役まで魅力的なのが京極作品の楽しいところ。今作では特に、10代の女学生たちが印象的です。猟奇事件に巻き込まれ、悲惨な目に会いながらも、精一杯の知恵を絞って戦っている。賢さも愚かさもある人々です。作家の妄想や思い込みではない、リアルな少女像は京極作品の特徴のひとつだと思います。敬遠されがちなジェンダー問題にもフェアな京極堂の言葉には、ヒザを打つことしきりです。
ストーリーは、比較的わかりやすい…と思っていたら最後に混乱した。でも美しいラストシーンです。妖怪シリーズ中で一番好きです、これ。
文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫) 関連情報
甥のリクエストがあって購入しました。とても喜んでもらえてよかったです。 妖怪メダル零 古典メダルノ弐/【ノーマル】女郎蜘蛛 関連情報
暗黒時代小説第3弾。まず書店で本の厚みに驚きました!私も色々本を読んできましたが、一冊の文庫本の厚みとしては、今まで読んだ事の無い厚みでした。最初はその厚みに引かれ、手にとって読んでみた本でした。読んでみてびっくり。ボリュームを全然感じずにあっという間に読み終えてしまいました。読後に残った余韻は、今までの時代小説を読んだ時とはぜんぜん違い、ものすごいものを読んでしまった!という満足感でいっぱいでした。本の内容については読んだ時のお楽しみという事であえて触れませんが、時代小説ファンの方には、是非是非読んで頂きたいおすすめの一冊です。時代暗黒小説第4弾が今から楽しみで仕方ありません! 女郎蜘蛛 (光文社文庫) 関連情報
全体的に見てシリーズ最高です。
他も全て読んだ上で、もう一度
読みたくなったので電子版を
購入しました。
分冊文庫版 絡新婦の理 (四) (講談社文庫) 関連情報
京極堂シリーズ第5弾「絡新婦の理」分冊文庫版の第3巻です。
事件の骨格が判明してきます。
一連の事件について、まったく異なる複数の動機が成立してしまうような複雑な構造。
それはあたかも蜘蛛の巣のようであり、その中心にいる「絡新婦」が真の犯人ということ
のようです。
途中、羽衣伝説についての薀蓄が語られますが、その中で「機織」、「遊女」など
作品のモチーフとなるがキーワードが凝縮されているところなど、筆者の構想力に
感服するばかりです。
分冊文庫版 絡新婦の理 (三) (講談社文庫) 関連情報