ソ連・ポーランド合作映画だが、この当時の東側としては驚くほどリベラルかつエンタテインメントな作り。原作にはいない女性乗組員のドクターで日本人を出していたり、金星宇宙船コスモクラトール(英語吹き替えでは「コスモストレイター」と呼んでいるが)のパイロットとしてアメリカ人宇宙飛行士を参加させていたりする(宇宙基地に乗り付けるのがMig-17というのはご愛嬌)。その宇宙船の造形は外観も内部も(レムの原作での図解とは大分違うが)なかなか魅力的。特に内部のセットは結構な規模で、かつこの時代としてはかなりにモダン。「禁断の惑星」のロビーより更にオモチャっぽいが、なかなか軽快に動くロボットも出て来る。
物語の語り口は当時の西側SF映画に比して大変に理屈っぽい。とにかく理詰めで物語を進めてますよ、という手順を折り目正しく踏んでいる。その手続きの折り目正しさがレトロSF映画ファンにとってなかなかに心地よい。この当時の西側宇宙映画の主人公たちがみなボーイスカウト上がりと見まごうのと比べ、見るからに学者然とした役者を揃えてるのも微笑ましい。
ただ金星に着いてからがいささかショボくなる。大気状態の描写のつもりか画面には常に濁った沈殿物のようなものが漂い、視界も悪い。何が起きているのかの説明もあまりなされぬまま金星文明の残骸らしきものに翻弄されまくる。調査しているうち、隊員の一人が身を守るためにとっさにやったことが何かのトリガーになったらしく事態が急に動き出し、よくわからぬうちにに3名置き去りにしたまま宇宙船は金星文明残骸の反重力メカニズムのせいで宇宙に放り出され、そのまま地球に戻ってしまう。とにかく後半は金が無くなったか時間が無くなったかでかなりにせせこましくなった印象は否めない。とはいえ……
金星の正体がかなり明らかになった現在からすれば確かに噴飯ものな設定・描写はある。しかしとにかくこの頃は、宇宙に出て行くというだけで娯楽になる時代だったのだ。我が日本では「地球防衛軍」「宇宙大戦争」の頃だ。その時代にそれなりにリアルな描写の積み重ねで宇宙冒険映画のスタンダードを作ろうとした姿勢は評価されてしかるべきだろう。この映画に投入された映画技術が継承されたものか、「惑星ソラリス」はほぼこの10年後だ。
ただこれだけの大作にしては78分はいかにも短い。これは西側公開用に再編集された短縮版と思われる。できれば原語版も見てみたい。現に、その昔TVで放映した時には原語版を元にしていたはずだ。宇宙船の名をちゃんと「コスモクラトール」と呼んでいたのを覚えている。
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