かつてこれほどまでに美しく、かつショッキングな映像体験があったでしょうか。物語性はありません。しかし怪物のように不気味にそびえる館と生気が抜けた彼岸のように横たわる庭園をめぐりめぐっていくうち、物語の中心人物たる男女の関係はおろか人間の意識の曖昧さがあからさまに露呈していくさまは圧巻。
登場人物の立ち位置から動きまでが完璧に計算しつくされた画面構成は見事というほかはありません。また背景、借景の使い方といったら、かつて見たことの無いモノクロ映像究極の様相を呈しているといっても差し支えないほど鮮烈で優美。難解すぎるプロットからしてもアラン・レネ監督が商業用フィルムをまったく意識しなかったことが伝わってきて、そこがまた痛快。
たとえ難解であっても映像芸術としてはパーフェクトに近い、これは人間思考の複雑な独自性と際立つ映像美に酔いしれるヨーロッパ映画の逸品。
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サビてからでは遅いのだ ホンダ ヴェゼル( VEZEL ) 用 ドアストライカーカバー RU1 2 3 4型
これまでの車ではあまり気にしたことはなかったのですが、車を買い換えて検索するとよくヒットする商品だったので購入してみました。 サビてからでは遅いのだ ホンダ ヴェゼル( VEZEL ) 用 ドアストライカーカバー RU1 2 3 4型 関連情報
暗鬱な城館で出会った、男と女の記憶が食い違い、互いに主張し合ってゆずらない。徐々に軟化し、男の主張を受け入れてゆく女・・・。どちらが本当のことを言っているのか、あるいはどちらも嘘をついているのか、それともすべては男の妄想で最初から女など存在しなかったのか・・・。意味不明の会話。繰り返されるゲーム。突然生気を失い彫像と化したかのように立ち尽くす人々・・・。過剰に飾り立てられた美しくも冷たい空間を移動するうちに、奇怪なオルガンの調べと独白が見るものを不安に陥れる。
また、ジャンプショットとフラッシュバックの多用により、時間と空間の正確な認識が失われてゆき、脈絡もなく潜入される意味不明のショットと不可解なモンタージュにより現実と幻想との境界さえも不明となる。
主人公たちと共にバロック(実際にはロココらしいが)な映像の迷宮をさまよううちに自分自身の現実さえもが侵食されていることに気付く。この美麗で暗鬱な城館は私たちの人生のメタファーでもあるのだ。果たして私たちは現実を認識できているのだろうか?現実だと思っているものは実は幻想にすぎないのではないか・・・。
短編2作を含む、140分にも及ぶ特典映像もうれしいところ。(実は僕はまだ見ていないのだが・・・)
アート系映画ファン必見の、オール・タイム・ベスト級、レネの最高傑作。
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マダムと泥棒 【スタジオ・カナル・コレクション】 [Blu-ray]
作品については改めて評価するまでもなく、☆☆☆☆☆です。コーエン兄弟の『レディ・キラーズ』のオリジナルになったくらいの作品です。俳優も英国の名優・怪優が表情豊かに競演しており、たいへん楽しめます。映像もDVDより発色が良くなっていると思います。残念なのはケースです。紙製のブックレット仕様になっているのですが、盤を固定する台の貼付が何とも杜撰で、ブックレットから外れてしまうのではないかと心配になりました。外装のデザインは良いのに、ケースがいただけません。そこが☆1つマイナスです。
マダムと泥棒 【スタジオ・カナル・コレクション】 [Blu-ray] 関連情報