ペンギンたちに会いたくて―わたしの南極研究記 (くもんジュニアサイエンス)
●素直な文章の中にもさりげなく可笑しみがミックスされていて楽しく読了できる。内容も詰め込みすぎず、児童書にはこのくらいが適切だろう。
●特に注目したいのは著者自身が撮ったたくさんの写真である。本文中に写真撮影のことは殆ど触れられていないが、どれも感心する見事な出来ばえで本書に彩りを添えている。
●いうまでもなくペンギンの本ではない、ペンギン研究のために南極に行った著者のチャレンジの記録である。
ペンギンたちに会いたくて―わたしの南極研究記 (くもんジュニアサイエンス) 関連情報
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まず、本盤のプログラムは下記の通り。
<収録曲…括弧内は作曲年>
1-4. 歌曲集「聖三稜玻璃」(1962) いのり・曼荼羅・青空に・ほんねん
5. 鏡〜ヴァイオリンのための(1981)
6. 随風吹動〜フルートとピアノのための(1999)
7. 弦楽四重奏曲第3番「黒の星座」(1992)
8. メッサージュ・ソノール(1985)
9-10. 2台のピアノのための「響象 I・II」(1982〜95)
11 「海の日記帳」より珊瑚の唄(1981)
12. 弦の星たち(1991)
<演奏者>
小畑朱実(Ms)(1-4) 中川俊郎(p)(1-4.6.9.10) 辰巳明子(Vl)(5) 遠藤剛史(Fl)(6) 加藤知子(Vl)(7) 松野弘明(Vl)(7)
飛澤浩人(Vla)(7) 長明康郎(Vc)(7) プレイアード五重奏団(8) 岡田博美(p)(9-11) 沼尻竜典(指揮)(12) 西江辰郎(Vl)(12)
三善晃作品展特別編成弦楽アンサンブル(12)
※2008年10月18日 東京オペラシティコンサートホール「タケミツメモリアル」にて 「三善晃作品展」ライヴ録音
数年前から作曲家三善晃氏の作品集大成としてリリースが進む「三善晃の音楽」シリーズ第4弾。今回は上述の通り08年に東
京にて開催された作曲者の生誕75周年を祝っての「三善晃作品展」ライヴ録音であり、特徴として歌曲・室内楽・オーケストラ
作品等複数の演奏形態の楽曲が混在すること、80年代以降の三善氏の近・新作品を多数収録していることが挙げられる。
三善氏の創り出す音の響きはとても繊細であり、一聴不協和音と感じる「刺す」様な攻撃的な音の中に驚く程の美しさを発見し
てはっと息を呑む瞬間が多い。しかしその美しさを引き出す為に演奏者に課される難度は極めて高い。本盤にはぱっと聴くだ
けで並々ならぬ技巧を要求されると感じさせる楽曲が揃っている。その点で本盤のライヴに集った演奏者は作曲家の要求に
的確に応え、楽曲の美しさを見事に引き出している点で感嘆させられる。余り聴く機会の無かった三善氏の近作群が豊富に収
録されている資料として、見事なライヴ音源としても大いに聴く価値のある名盤だと思う。
以下、各曲の印象を端的に書いておく。
1-4…大正期の詩人・山村暮鳥の詩集「聖三稜玻璃」より4編を歌曲化。繊細に流れるピアノ伴奏に小畑氏の「刺す」ような歌
声に背筋が伸びる思い。僅か4分の間に信じられない程大きな感情の起伏を閉じ込めた「ほんねん」は圧巻。
5.無伴奏ヴァイオリン作品。少ない音数の中に三善晃の音楽としての美しさが純化され形になった印象。低音域から高音域へ
滑り出す様な高速な旋律、高音の多様等の難しい技巧要求を見事にクリアした優秀な演奏かつ録音。
6.フルートの多々尺八の音を想わせるような演奏技法に作曲者の日本人としての主張が出ている気がして興味深い作品。フ
ルートの旋律の間を縫う様に挟みこまれるピアノ伴奏も時にフルートとせめぎあったり寄り添ったりと表情豊か。
7.弦楽四重奏団の落ち着いた音色で聴く三善作品の美しさが詰まった逸品。丁寧に刻みこまれた陰影を含む弦の繊細な音色
と和声は、色で例えるなら正に「黒」の様相。
8.弦楽器群に積極的に挟みこまれるフルート・マリンバ・ビブラフォン等のカラフルな音色が印象的。各楽器の音が突発的に
爆発してせめぎ合う緊張感が心地良い作品。
9-10.「三善晃の音楽2」でも収録されたピアノ2台による作品。ピアノだからこそ表現できる残響の美しさと鋭い技巧を、ライヴ
録音でも十二分に披露している。
11.子どもの為に書かれたピアノ小品集より(アンコール)。本盤では唯一調性の明確な作品だが、本質となる細やかな美しい
響きは変わらない。優秀な小品は大人の鑑賞にも耐えることを示した演奏。
12.本作収録中最も大編成(オーケストラ)による近作。本盤中最も小編成な5との対比が面白い。無数の星の様に煌めくオーケ
ストラに乗せてソロ・ヴァイオリンが踊り狂う様に奏でる自由な旋律が素晴らしい。
三善晃の音楽IV 室内楽・器楽・歌曲作品集 関連情報